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捏造DF/F長編、第四話終了しました!
今回は怒涛の展開です!というかただのハリケーンですが(笑)←

一体何話で終わるか見当がつきませんorz
では、趣味丸出しの四話は、続きからどうぞw

明日から合宿行ってきます!
二泊三日の勉強漬け(^O^)






ちょっと前、オレの住んでいた村がモンスターに襲われた。
みんな逃げてて、戦ってる人もいて、でも、オレは何もできなかった。
ボールがあったのに、足が上手く動いてくれなかった。
そんなオレを物陰に隠れさせて、親父はモンスターの群れに突っ込んでいった。
それから先は、ほとんど憶えてない。
ただ、いてもたってもいられなくなって飛び出そうとしたオレを助けてくれた人だけは覚えてる。
後姿がカッコよくて、オレは、見てるしかできなくて。
もうそんなの嫌だったから、その人についていこうと決めた。

「スコール」
小さく呼んでも、届くわけない。
今、彼の悲しげな視線の先に、オレの姿は映っていない。
クラウドに依頼されて、守らなきゃならない子しか見えてないんだ。
まだ、見つかってないけど、早く見つかるといいな。
胸の辺りがちくちく痛いけど、
スコールの悲しい顔を見るほうが嫌だから。
だから、こんなときこそ、
「笑顔の練習!」


「ジタンなら一昨日見たぜ?」
「本当か」
皇帝の城がある城下町。
スコールとティーダはまた道端で昼寝をしていたバッツを見つけて、話を聞いていた。
「ああ。皇帝の依頼を受けて、成功させて帰ったらしい」
ティーダは聞きながら、空を仰いだ。
気持ち良いほど澄み切った空。
『スコールが探してるの…ジタンっていうんだ』
聞けば、彼はもうひとりの冒険者と依頼をこなしているらしい。
少年の無事を確認して、スコールが安堵したのが感じられた。
「もう一人の冒険者の名前は」
スコールが訊くと、バッツは「んー…」と考え込んだ。
「確か…フリオニールが言ってたな…なんだっけ…?」
バッツがぶつぶつ呟きながら思い出そうとする。
彼が連れているチョコボが彼に話し掛けるように鳴いた。
「――そう!それだ、ボコ!!」
偉いぞ!とバッツはチョコボの頭を撫でる。
「クジャっていって、銀髪の長い髪らしい」
「クジャか…わかった。」
「おう。で、スコール。そっちの子は?」
バッツがティーダを指さす。
「オレ?オレはティーダって言うッス!よろしくな!」
「スコールのパーティメンバー?」
「そうッスよ!オレ、スコールに助けられて、だから、ついてきたッス」
「そっか…あのスコールがなあ…」
言いながら笑みを隠せないバッツを、スコールは睨みつけた。
「はいはい。怖い顔すんなって!仲間は大切にしろよ?」
「…」
「仲良くするッス!ありがとな、バッツ!」
ティーダが手を振って、歩き始めてしまったスコールのもとに向かう。
「いいって!気をつけてな!」
バッツが同じように手を振って送ると、スコールは眉根を寄せて、
「…お前に返す」
と小さくつぶやいた。


モニターフォンを取り出し、番号を入力する。
しばらくの電子音の後、クラウドの顔が映し出された。
『…どうした』
「情報が得られた。ジタンはこの近くにいるらしい」
「クジャって奴と一緒らしいッス」
『そうか』
「教えろ、クラウド。ジタンに迫っている危機はそいつに関係しているのか?クジャは――
一体何者だ」
スコールが一息に言うと、クラウドは画面の向こうで空を見上げた。
『クジャこそ、変換の星。赤き星と交わろうとしている、狂気の変換者――』
「変換者だと…!?」
驚く二人をよそに、クラウドは話を進める。
『手遅れになっては遅い…だが、見つけても無闇に手出しはするな』
「何故…奴はジタンを襲う?」
『…変換者は、“強制職業変換”という固有の能力がある。しかし…それもタダで出来るわけではない。』
一度、言葉が区切られた。
しばらくの沈黙が続く。
「クラウド」
耐えかねて、スコールが催促した。
溜息をひとつ吐いて、クラウドは閉ざしていた口を開いた。
『それは、話すべき時ではない。』
「何故――!?」
『だが、これだけは言っておく。奴らは――人の命を喰らうことで、生き長らえる』
知らされた事実に、言葉が出なくなった。
口の中が乾いて、嫌な感じがした。
『ジタンが喰らわれそうになったら――そのときは、なんとしてでも止めてくれ。あんたたちなら、できる』
その言葉を最後に、通信が遮断された。
「スコール…」
スコールは、モニターフォンを持ったまま項垂れていた。
焦りと、不安と、いろんなものが混ざり合って動けないのであろう。
ティーダは、そんな彼の手を引いた。
「項垂れてる場合じゃないッスよ!助けるんなら、急がなきゃ!」
「…助け、られるのか」
「当たり前!オレたちならできる!!」
そのまま、前を向いて走り出す。
「だから…悲しい顔、しないで」
呟くと、泣きそうになった。
でも、泣いてる場合じゃない。
早くスコールが笑えるように。
何も出来ないなんて、嫌だから。


「クジャ!こっちは終わったぜ」
「ああ。こっちも丁度終わったところだよ」
クジャとジタンは、森の中を移動中にモンスターの群れに襲われていた。
幸い、数だけで攻めてきたという感じだったので、難なく乗り越えることができた。
「…ジタン、怪我してるじゃないか」
クジャがジタンの右腕を見て言う。
その視線を辿ると、たしかに血が出ていた。
「こんくらいなんともないって。たぶん、さっき擦りむいたんだと思う」
舐めときゃ治るよ、とジタンは言ったが、クジャは荷物を漁った。
「小さい怪我でも油断は禁物だよ?――ほら」
ポーションの小瓶が弧を描いて放られる。
それを受取って、ジタンは小さく礼を言った。
『クジャって…ムカつくけど、たまに優しいよな…』
正直、まだ彼の本質がわからなかった。
どうして自分についてくるのか、どうして自分を助けてくれるのか。
わからないことがたくさんありすぎて、考えるのも面倒になってくる。
ただ、わかることといえば。
彼が、最初の約束をちゃんと守ってくれていることだ。
『信用、か…』
信用してもらえるように努力する、と彼は初めに言っていた。
そう考えると、それも何故?と新たな疑問が浮かぶ。
疑問の海に、ジタンは面倒になって飛び込むのをやめた。
「う……っ」
突然、クジャが苦しそうにうずくまった。
「クジャ!?おい、しっかりしろ!!」
駆け寄って顔を覗き込むと、顔色は最悪だった。
呼吸も乱れ、汗が輪郭を伝っている。
「ジタン…っ」
大丈夫だ、と言おうとしたが、口は動いてくれなかった。
ぐるぐる、ぐるぐる、狂気が廻る。
もう限界だろう。
今こそ、その時。
「きみは、もう、傷つきたく、ないだろう、?」
「クジャ――!?」

だん、と背中が近くにあった木に打ち付けられた。
その痛みに眉をひそめている間に、両手首を掴まれ、上にまとめ上げられる。
「何すんだ…っ…放せよ…!」
もがいて、自分を拘束する人物を見やると、
赤い瞳が、射抜くようにこちらを見つめていた。
「ジタン、僕とひとつになろう。そうすれば…キミが傷つくこともない」
悲しい過去に囚われて、眠れないことも、
無理に気丈に振る舞う必要もなくなる。
「キミは僕とひとつになって、生き続ける」
死ぬわけじゃない。
ただ、キミという形がなくなるだけ。
ジタンは、自分の顔が青ざめていくのを感じた。
直感した。
「それって…魂を、喰うってことか…?」
まさかと思い、口にすると、クジャはうなずいた。
「そうさ。キミの魂の輝きは素晴らしい…それほどの輝きを喰らえば、キミは、僕は、永い時を生きることができるようになる」
「魂の、輝き――?」
疑問の海が、引いていく。
引いてほしくなかった。けれど、起こった波が堤防を越えて、越えた水は帰ってこない。
「はじめから…それが、目的で…?」
声が震える。
怒りじゃない、恐れじゃない。
なら、この気持ちは?
はじめから魂の輝きとやらが見えていたら。
零れてしまった問いを、否定してほしかった。
首を横に振って、せめてもの微笑みを向けて、否定を――…
「そうさ」
しては、くれなかった。
「 嘘、だ 」
じわり。
目の奥が熱くなって、その熱があふれる。
「はじめから…」
信じたくない、信じられない。
何度も助けてくれた事実が、触れられたぬくもりが、まだこの肌に残っている。
あの優しさが、感じた全てのものが、偽りだったなんて。
「はじめから、こうするつもりだったなら…」
胸が締め付けられる。
呼吸もままならなくなって、息苦しい。
「どうして…どうして優しくしたんだよ――…っ」
大粒の雨垂れは、絶えることを知らないようにあふれ続ける。
それとは対照的に、言葉は、もう出てきてくれなかった。
「ジタン――…っ」
止まらない雫が、汚れを知らぬ肌を濡らす。
その雫には、一欠けらの偽りも、憎しみも含まれていなかった。
心が、揺れる。
心が、問う。
本当にこんなことがしたいの?
――したいさ。
この少年を捕まえて放さないように離れないように繋ぎ留めてずっと僕の傍に、
――それは、
それは“喰らいたい”という感情?
“永い時を生きたい”?“死にたくない”?
違うだろう。
本当は、
本当は、“ただ一緒に――”
「うるさい!雑音だよ!!」
もう決めた、決めたんだ。
目の前の太陽を喰らって、生きながらえる。
今更、後戻りなんて、

「そこまでだ」

冷たい声が響く。
その方向をみると、一人の銃士が銃を向けていた。
走ってきたのか、肩で息をしている。
銃口の先には、黄金の太陽。
引き金を引く指に、力が込められる。
「――っ!!」
弾が発射される瞬間、クジャはジタンを木の陰に突き飛ばした。
「クジャ!?」
銃弾が、クジャの腕を掠める。
突き飛ばされたジタンを、金の風が受け止めた。
「保護完了ッスよ!スコール!」
「よし。戻ってこい、ティーダ」
銃士の声に従い、金の風――球戯士・ティーダがジタンを抱えたまま、銃士の隣に降り立つ。
「スコール!スコールじゃないか!!」
銃士の顔を見て、ジタンは思わず声を上げた。
「話は後だ。ティーダ、ジタンと後ろに下がれ」
「了解ッス!」
ティーダが駆け出すと同時に、スコールは銃口をクジャに向けた。
それに気づいたジタンが叫ぶ。
「やめろ!撃つな、スコール!!」
しかし、スコールはその声に応えず、引き金を引いた。
クジャは銃弾を避け、そのまま滞空した。
「よくも邪魔をしてくれたね」
もう少しで喰らえたというのに。
クジャは冷ややかな目でスコールを見下ろした。
「どうしてジタンを庇った?」
怯むことなく、スコールはその視線と己の視線をぶつける。
「どうせ喰らうなら、俺がジタンを撃ったって構わなかっただろう?」
死んだところで、魂を喰らうのに問題はない。
それに、抵抗もされなくなるし、寧ろそちらのほうが楽だろう。
言葉を詰まらせたクジャだったが、やがて吐き捨てるように言った。
「…銃撃から逃げるのに、邪魔だったから捨てたんだよ」
そして、彼の口は転移の呪文を紡ぎ始めた。
「さあ、どうだかな」
呪文を唱え終えた変換者に、スコールの言葉は届かなかった。


「大丈夫か、ジタン」
「ああ…」
声をかけてみるが、ジタンは心のない返事をするばかりだった。
呆然と、ただ虚空を見つめている。
「あいつに何をされた?何故奴と共にいたんだ?」
「スコール、ストップッス!!」
しびれを切らして問い詰めるスコールの手を掴んで、ティーダは彼を止めた。
「ジタンが落ち着いてからじゃないと!疲れちゃうッスよ…」
「ティーダ…っ」
「スコールも落ち着くッス。ほら、あっちの川で顔洗ってきて!」
強引にスコールの背中を押し、川に向かわせる。
はじめはその場を動かなかったスコールだったが、しばらくの後渋々といった感じで歩き出した。
「さて、と」
一息ついたティーダは、ジタンに向き直る。
「ごめんな。スコール、ずっとジタンのこと探してて、無事だったから、うれしいんだと思う」
「ずっと?どうして…」
「クラウドに依頼されたんスよ。ジタンを守ってくれって」
「それは…最初からクジャがああするってわかってたってことか?」
蒼の瞳が伏せられる。
それと同時に、ティーダのボールが深い青に変わった。
深い、悲しみの、色。
「クラウドってのは、詠剣士っていう職業で、未来が見えるんだって。でも、こうなるかどうかは、はっきりわかんなかったみたいッスよ?」
なんとか、その悲しみを和らげようとした。
しかし、ボールの色は変わらない。
「…クジャは、オレを何回も助けてくれたんだ」
ジタンの瞳が潤む。
しかし、それを零さないように、彼はこらえた。
「はじめからああするつもりだったなんて――思いもしなかった」
どこか、自分と同じような。
闇を抱えているような気がして。
それでも、それを感づかれないよう過ごしている姿は、
やはり、自分に似ていて。
どこかに、つながりを感じていた。
「…オレ、ジタンとかクジャのこと、見てたわけじゃないけど…そう思う」
ティーダはボールを見つめた。
悲しみの色が揺らぐ。
「だって、説明つかないじゃん」
言うと、色はさらに揺らいだ
「…ティーダ」
ジタンの声に、ティーダは顔を上げた。
その先には、決意の瞳。
「オレ、会って確かめたい。あいつが…どう思ってるか。変換者って、何なのか」
「…そっか」
笑うと、ジタンも笑った。
「考えるより行動!やっぱコレッスよね!!」
「だよな!動かなきゃわかんないこともあるし!」
笑い合う中でちらりと眼の端に映ったボールは、鮮やかな黄色をしていた。

「とりあえず、ゴルベーザのところに戻るッス!」
スコールも戻ってきて、まとまった話を伝える。
「大丈夫なのか?ジタン」
「大丈夫だって!心配し過ぎだぜ、スコール」
ジタンが笑顔を見せると、スコールの緊張が解れた。
その様子にティーダも安心して、小さく息をつく。
「さ、行くッスよ!」
三人は、森を歩き始めた。


「ふふ…どうやら、動き出したようだね」
荒野の先の先、その中心の城で、銀の影が嗤う。
城の周りには、生気のない偽造物たち。
「そのまま壊れるといい…全ての命が壊れ、無に帰したとき、僕は――」


夜。
森の中で野宿することになった三人は、テントを広げ、順番に見張りを立てていた。
今はティーダが外に出て見張りをしている。
そっとテントの布をめくると、気持ち良さそうに寝息を立てている二人の姿が見えた。
「――すっかり寝てるッスよ」
ティーダが呟いて、振り返る。
「出てきたらどうッスか?」
近くの茂みに投げかけると、ひとつの影が現れた。
「…言っておくけど、戦いに来たわけじゃない」
「わかってるッスよ」
「何故、ここに来たかもわからないんだ…キミが見張りでよかったよ。あの銃士は、僕の話を聞いてくれそうにないんでね」
「スコール…すごく心配してたから」
「だろうね…だから、あんなことをした僕が戻るところなんてない」
「あんたさ…本当はジタンのこと、殺そうなんて思ってないだろ」
「…どうしてそう思うんだい?」
「スコールが銃を向けたとき、ジタンを庇ったッスよね?あれ、体が勝手に動いたって感じだった。本当に殺そうとしてたなら、スコールの言うとおりあのままでよかったわけだし、それに…いつも気にかけて、守ってやんなきゃって思ってないと、あんな動きできないッスよ」
「…」
影は、口を噤んだ。
ボールの色が蠢く。
たくさんの色が混ざり合って、確定しない。
「…あのさ、考え事で頭いっぱいのときは、わー!って叫んじゃうといいッスよ」
「…自分でもよくわからないんだよ。正直、ね」
あの少年に何を求めるのか、自分が何を求めているのか。
生きたいのか死にたいのか喰らいたいのか。
本能と感情がぶつかりあって、おさまらない。
「わからない…ッスか?」
「…?」
「オレはそれだけで充分だと思うッスよ。体が動いた、庇ったって、それだけで。だって、それがクジャの気持ちだろ?」
影――クジャが、驚いたように目を見開く。
「…もう、次に会うときは変わってしまっているかもしれない」
自嘲気味に言うが、ティーダは首を振った。
「それでも、きっとジタンは会いに行く。今会えないなら、ちょっと先で待ってるといいッスよ。次に会える時まで考えて、考えて、わかんなかったら叫んで、また考えて」
だから、と微笑んで、ボールを撫でる。
色は、青だった。
「…拒絶さえ、されなければ。僕が――僕であったなら」
影は、闇に融けるように消えた。
ボールもいつもの色に戻り、落ち着く。
少しの間をおいてジタンが顔を出した。
見張りを代わると申し出てくれたが、ティーダはやんわりと断った。


三人はそれから数日かけてゴルベーザの城に着いた。
城門付近を掃除していた少女が、三人に気づいた。
「あ、ジタンさん、スコールさん、ティーダさん!」
「キミは…依頼の報酬をくれた…!」
ジタンが記憶を手繰り寄せ、思い出す。
少女は微笑んでお辞儀をした。
「私、ここでゴルベーザ様にお仕えさせていただいているんです。今、門を開けますね」
少女が門に触れると、鈍い音を立てて大きなそれは開いた。
「ご案内いたします。どうぞ、こちらへ」
ほうきをおいて、少女は三人を城へ招き入れた。


扉を幾つかくぐり、同じくらいの部屋を通ったが、まだ主の部屋には着かないらしい。
同じような扉が開かれると、次の部屋には一人の詠剣士が立っていた。
「クラウドさん!」
「ゴルベーザから伝言だ。“部屋で休んでてくれ”だそうだ」
「?はい。了解しました。後はお願いします。クラウドさん」
首を傾げた少女だったが、主の命と聞くと、素直に従った。
それを見送ったクラウドは、ジタンに向き直る。
「実際に会うのは初めてだな。…俺はクラウド。詠剣士だ」
「ジタン。盗賊だ。あんたが、未来を見てたのか?」
「ああ。見てはいたが…今回については、どちらに転ぶか見えなかった」
クラウドが踵を返すと、装飾品が音を立てた。
「行こう。…知りたいことが、あるんだろう?」
一段と大きな扉を開くと、赤絨毯の先にひとつの大きな椅子が見えた。

「そなたがジタンか」
「はじめまして。僕はセシル。そしてこっちは兄さんのゴルベーザ」
「先日は依頼をこなしてくれて感謝している」
「いや、お礼なんていいよ。それに…」
ジタンは少し言葉を詰まらせて、小さな、小さな声で言った。
「あれは、クジャがいたから――」
ドラゴンを傷つけることなく保護できたのは、職業を変換する力を持った彼がいたからこそ
だった。
「変換者の存在は知っている。そなたが、変換者と共に行動していたことも。…その男は、
そなたの目の前で職業を変換したのだな?」
「ああ。“強制職業変換”…それが変換者の能力だって」
「その能力がどうやって発動しているか、そなたは承知しているか?」
「…え?」
ゴルベーザの問いに、ジタンは弾かれたように顔を上げた。
クラウドがゴルベーザの隣に立ち、言う。
「…知りたいか」
「何を?」
「変換者のこと。あんたは…知りたがってるだろう?」
彼は先ほども知りたいことがあるのだろうと扉を開けた。
詠剣士はそれも見ていたのだろうか。
そんな疑問は、今はとりあえず置いておくことにした。
「ああ。教えてくれ」
ジタンは、まっすぐにクラウドを見つめた。
「…ゴルベーザ」
クラウドはセシルを見やった。
これから話すことを、果たして彼に聞かせていいものか。
「構わん。そろそろ…セシルも知るべきだろう」
「あいつはどうする?」
「あの少女は、ここに呼ばずとも感じるだろう。おそらく…もう既に気づいている」
「そうか」
すべてを確認すると、クラウドは三人を見渡す。
「落ち着いて、聞いてほしい。俺も、しっかり話す」
きちんと、伝わるように。
三人は頷いて、クラウドを見つめた。
間を置いて、クラウドは口を開いた。

「“強制職業変換”は、変換者の命と引き換えに行われる」

「なん、だって…!?」
上手く、言葉が見つからなかった。
ただ驚きに瞬きも忘れて、次の言葉を待つ。
「消費する命は職業階級によって異なるらしい…上級職業になるほど、消費が大きいということだ。それを続ければ――どうなるか、予想がつくだろう?」
「命が、なくなっていく…」
「だから、人の魂を喰らうのか…」
「ちょっと待ってくれ!あいつは…オレを助けるために…依頼をこなすために、職業を変えてたんだ!その場に応じて、優位になるようにって…」
自惚れかもしれないが、もし、そうなのだとしたら、
「あいつを追い込んだのは…オレ、なのか…?」
絶望に、体が重くなる。
優しいのは、そのままの彼で、それを変えてしまったなら。
どんなに、酷いことを言ったのだろう。
「それは違う。」
しかし、クラウドはジタンの考えを否定した。
「確かに、“強制職業変換”を多く行ったかもしれない…しかし、ただ生きながらえたいと、それだけを考えて人の魂を狙う変換者もいるようだ」
「それがどうかしたのか?」
スコールが問う。
それと今の話がどうして逆接なのか。
「…知ることを、望むのか」
「ここまで来たら、中途半端にしたくない」
クラウドが話を止めて確認しても、ジタンの決意は変わらないらしい。
ひとつ息をついて、もう一度口を開く。
「スコール、ジタン…あんたたちは、何者かに襲われたことがあったな」
「それって、あの時の?」
「あれが変換者に何か関係しているのか?」
スコールの言葉に、クラウドは目をそらした。
何か、言いづらいことを隠すように。
それを見て、スコールは気づいた。
「まさか――!?」
「そのまさかだ」
意を決して、クラウドは真実を告げた。

「あんたたちを襲ったのは――長い銀髪の、クジャと名乗る変換者だ――」







ハリケーン(笑)←
とりあえず、折り返し地点…ですかね?
ワードの使い方とかが変わって苦戦しながら打ちました!
一発変換できないorz
これからは中盤・そして終盤に向けて盛り上げていきたいと思います!!

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